原田家 家紋原田 貴司原田貴司 花押エグゼクティブ・コーチ
組織・リーダーシップ開発ファシリテーター

2026年10月8日

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営業育成の再現性を高める行動特性の活用法

原田貴司

これまでブログ記事の中で、新卒研修におけるアセスメントの活用方法を紹介してきました。

新卒社員の相当数が営業部門に配属されるという企業も多いことから、今回は、営業現場におけるDiSC®の有効な活用方法を紹介したいと思います。

営業は、顧客との関係構築や状況判断など、経験によって磨かれる要素が多く、ベテラン営業社員の存在は組織にとって欠かせません。

営業の経験は、組織の財産です。しかし、新卒社員に同じ経験を求めることはできません。では、新卒営業をどう育成すればよいのでしょうか。

その答えの一つが 「行動特性を理解した育成」 です。

経験が組織の“厚み”をつくる

営業の現場では、経験によって磨かれる力が存在します。

  • 顧客の“空気”を読む感覚

  • 状況判断の精度

  • 商談の流れを組み立てる勘所

  • 関係構築の微妙なニュアンス

  • 過去の成功・失敗から得た暗黙知

こうした力は、日々の実践を積み重ねてきた営業社員だからこそ持てるものです。営業組織の強さは、こうした経験値の厚みに支えられています。

新卒に同じ経験を求めることはできない

当然ながら、新卒社員はその経験を持っていません。

だからこそ、新卒には“経験の代わりになる基礎”を先に身につけてもらう必要があります。

営業の経験は時間とともに蓄積されますが、行動の型は入社初期に身につけることで、経験の吸収速度を大きく高めます。

行動特性を使うと、新卒営業は“経験の前に必要な基礎”を身につけられる

行動特性を理解すると、新卒営業は次のような基礎を短期間で習得できます。

① 自分の行動傾向を理解する

新卒は、自分の行動が相手にどう見えているかを理解していません。行動特性を使うと、

  • 強み

  • 誤解されやすい点

  • 行動の癖

  • 調整すべきポイント

が明確になります。これは、経験の前に必要な“自己理解”です。

② 相手のスタイルを観察できるようになる

営業は「自分のやり方を押し通す仕事」ではなく、相手の価値観に合わせて関係性を築く仕事です。

行動特性を理解すると、相手の話し方・反応・意思決定の仕方から「この人はこういうスタイルかもしれない」という仮説を持てるようになります。

これは、経験の前に必要な“他者理解”です。

③ 行動を“その場で調整”できるようになる

自分と相手のスタイルが分かると、経験がなくても次のような行動調整ができるようになります。

  • 話すスピード

  • 情報量

  • 質問の仕方

  • 商談の進め方

  • 緊張の扱い方

これは、経験の前に必要な“行動調整力”です。

④ 観察 → 仮説 → 行動調整 の“営業の型”が身につく

行動特性を使った育成では、次のプロセスが新人にとって非常に効果的です。

  1. 自己理解

  2. 他者理解

  3. 観察 → 仮説 → 行動調整

  4. 行動変容(成果につながる行動の質の向上)

この型を身につけることで、経験が浅い新卒でも 再現性のある営業行動 ができるようになります。

営業現場で起きる具体的な変化

行動特性を導入した営業現場では、次のような変化が起きます。

  • 初回訪問での緊張が減る

  • 相手に合わせた話し方ができる

  • 説明が長すぎる/短すぎる問題が解消される

  • 「押しすぎる」「慎重すぎる」などの癖が改善される

  • 商談の進め方が安定する

  • 関係構築が早くなる

  • 上司・先輩とのコミュニケーションも改善する

  • 営業日報の質が上がる

  • フィードバックが具体的になる

  • チーム内の摩擦が減る

つまり、営業の“経験値”を短期間で底上げする効果 があるのです。

営業の経験を尊重しながら、新卒育成の再現性を高める

行動特性を使った育成は、既存の営業社員の経験を否定するものではありません。

むしろ、営業社員が持つ経験値を、新卒が学べる形に翻訳する仕組みです。

営業の経験を土台にしながら、新卒が早期に成果を出せるようにするための“橋渡し”になります。

結論:営業経験のない状態の新卒社員には“行動の型”を

営業社員が長年の経験の中で培った力を、新卒社員に求めることはできません。だからこそ、経験の前に必要な“行動の型”を身につける育成が重要 です。行動特性を使った育成は、営業の経験を尊重しながら、新卒の成長速度を高めるための有効な方法です。